成年後見制度の見直しについて

認知症の方等の財産管理や身上監護を行う「成年後見制度」の見直しについて、法制審議会で活発な検討が行われています。

①期間制の導入・利用要件の見直し

現行制度では一度開始すると本人の判断能力が回復しない限り利用を終了できないという課題があり、遺産分割など特定の目的で利用した場合に、目的達成後も制度が継続してしまう問題が指摘されています。これに対し、一定の期間を設ける仕組みや、具体的な利用の必要性を考慮して開始し、必要性がなくなれば終了する仕組みの導入が検討されています。

②本人の自己決定権の尊重

成年後見人に包括的な取消権や代理権があることで、本人の自己決定が必要以上に制限される場合があるとの指摘があります。本人の同意を要件とする仕組みや、本人にとって必要な範囲に限定して権限を付与する仕組みの検討が進められています。

 

法制審議会が近くまとめる中間試案には、上記の内容が盛り込まれる見通しで、法務省は来年1月からの通常国会に関連法の改正案を提出したい考えとのことです。

弊所では多くの方の成年後見人をさせていただいており、より使い易い制度に変えていく必要性を感じていました。今後も法改正についての動向に注目し、最新の情報をみなさまにお伝えしていきたいと思います。