相続土地国庫帰属制度について

法務省が8月19日に公表した相続土地国庫帰属制度の運用状況に関する統計(速報値)によると、昨年4月27日の制度施行から今年7月末までの承認申請は2,481件で、承認され国庫に帰属されたものは667件であることが分かりました。

相続登記申請義務化に合わせてスタートしたこの制度は、当初から、条件が厳しく使い勝手が悪いのでは?と言われてきましたが、必要のない土地なので国に引き取ってもらいたい、という相続人の希望のとおりに、ある程度の件数はなっていることから、一定の評価はできると思います。

また、申請の取下げが333件ありましたが、①自治体や国の機関による土地の有効活用が決定した、②隣接地所有者から土地の引き受けの申出があった、③農業委員会の調整等により農地として活用される見込みとなった、というように、別の解決方法が見つかったことが理由となっている例もあります。

その土地は使わないから相続登記をするだけ無駄、というのが、手続きが進まなかった理由のひとつとして挙げられますが、この制度により国庫に帰属したり、他に良い方法が見つかったりと、相続登記手続きを進め、同時に根本的な問題も解決した、という成功事例が今後もっと増えていく良いと思います。

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参考:法務省ホームページ
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html