旧警備業法の違憲判決について

2月18日、最高裁判所は「成年後見制度の利用を理由に警備員資格を一律に剥奪する規定(旧警備業法)」を憲法違反とする大法廷判決を下しました。戦後14例目となる非常に重い「法令違憲」判決です。

争点は、 精神上の障害により後見が開始されただけで、業務遂行能力の有無を問わず一律に失職させる規定の是非です。

2019年に岐阜地裁で出された違憲判決と同じテーマについて、改めて最高裁が「法令自体が憲法に反している」と最終的なお墨付きを与えた形になります。

憲法14条(法の下の平等)および22条1項(職業選択の自由)に違反するという結論で、後見制度を利用することが、一律に能力不足、とみなすのは合理的根拠がなく、 個別の能力を審査する手段があるにもかかわらず、一律に排除するのは「過剰な制限」である、としたものです。

成年後見制度は、判断能力が不十分な人の権利を守り、社会参加を支えるためのものです。しかし、旧法の規定は「制度を利用した瞬間に仕事をクビになる」という仕組みだったため、本人や家族が制度利用をためらう最大の原因となっていました。「支える制度」が「奪う制度」になっていたといえます。

2019年の地裁判決後、すでに多くの法改正が進んでいましたが、今回の最高裁判決によって、その流れは「後戻りできない決定的なもの」となりました。形式的な排除がなくなったことで、現在は医師の診断書や専門家の意見を基に、一人ひとりの適性を判断する運用が定着しつつあります。

弊所では、成年後見人を多くさせていただいておりますが、みなさまそれぞれご状態も違いますし、できることも様々です。後見人はあくまでも、ご本人の支援チームの一員に過ぎません。個性を生かしながら、なるべくご本人の意思に従って生活していって欲しいと願っています。

今回の判決により「後見制度で守られながら、能力に応じて働き続ける」という権利が、憲法上の権利として確立されたことになります。最新の後見制度の情報や制度利用のご相談はぜひ弊所まで。