遺言の内容と異なる遺産分割協議について

「終活」という言葉がすっかり定着し、以前に比べ、相続人が遺産の分け方で揉めないよう、遺言を残す方が増えています。一方で、遺言の内容と異なる遺産分割協議をしたいという相続人の方からのご相談も多くいただくようになりました。


みなさんは、遺言の内容と異なる遺産分割協議ができるかご存知ですか?
答えは、「遺言者が、遺言と異なる内容の遺産分割を禁じた場合を除き、相続人全員(受遺者も含む)の同意があれば可能(遺言執行者がいる場合には、その同意も必要)」です。


ただし、不動産登記については注意が必要です。不動産を相続人に「相続させる」旨の遺言がある場合、遺言者の死亡と同時にその効力が発生し、異なる内容の遺産分割協議を行った場合でも、登記実務上、それは贈与や交換契約といった新たな処分行為と解されるため、①遺言による相続登記と、②新たな処分行為を原因とする移転登記の2つを行い、権利移転の流れを忠実に登記記録に反映させることが必要になってしまいます。


遺言を残すときも、遺言者が亡くなって相続手続きをするときも、難しい判断が必要になる場合があります。ご自身の考えのとおりに手続きを進めることができるのか、事前に専門家に相談するのがやはり安心です。ぜひ弊所にお気軽にお問い合わせください!